機能構造学系|固体力学領域
渋谷研究室
研究室HP渋谷 陽二(教授)、劉 麗君(助教)

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渋谷研究室とは?
社会を支える材料をマクロとミクロの視点で解析する
「材料」と聞くと最初に思い浮かべるのは、工作や料理に使う小さな材料かもしれません。世の中を見まわしてみると、建築物、電化製品、自動車など、材料はあらゆるところで私たちの暮らしを支えていることがわかります。新しい材料が開発されると世の中は大きく変わります。スマートフォンが小さく高性能になったのも新しい材料の力によるものです。より便利な材料を開発し、安全に使用していくためには、材料の性質を研究することが重要です。渋谷・田中研究室では、材料そのものに力をかけて破壊や欠陥を実験によって確かめるマクロな観点からの研究と、材料を構成する原子の性質をスーパーコンピュータでシミュレーションするミクロな観点からの研究を同時に行っています。
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研究室のユニークPoint !
世界最先端の計算機サーバーと世界に2台しかない計測装置
巨大な材料もすべて、目に見えない小さな原子の性質に支配されています。当研究室には、材料中の原子や電子の動きを解析できる装置と技術が備わっています。原子に働く力を計算できるスーパーコンピュータは世界最先端のGPUで構築されています。また、半導体などの小さな製品の内部の欠陥も検出できるSEAMという装置は、世界に2台しか存在しない貴重なものです。さらに、ナノスケールの構造物を作製する技術や、マイクロスケールで実験の様々な計測を制御できる装置もあります。このような手法を用いてさまざまな材料の力学特性を研究します。当研究室には個性豊かなメンバーが集まっていますが、それぞれが自由に研究テーマを選んでいるため、研究内容も多様です。留学生も多くいます。
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研究室の先輩メッセージ
自分の興味をとことん追究できる研究室
- 三宅 美咲(大学院修士課程1年生)
シミュレーションと実験の両方を取り扱っていることは、この研究室の強みだと思います。シミュレーションだけでなく、実験によって結果の照らし合わせをすることで、より真実に近づくことができるからです。わたしはシミュレーションを使った研究をしてます。研究が上手くいったときはもちろん嬉しいですが、それだけでなく、シミュレーションを試行錯誤していく中で、自分の経験や知識が増えていくのが面白いです。いろいろな方面に興味を抱いている学生さんが来てくれると、研究の幅が広がって嬉しいですね。
- 清水 隆圭(大学院修士課程1年生)
研究対象は、先生から「こういう物質があるんだけどどう?」と提案を受け、その中から選びます。僕は二酸化ケイ素という物質を選びました。水晶を構成している物質です。この研究室に配属されたばかりのときは、実験とシミュレーションのどちらをやりたいかが決まっていませんでしたが、シミュレーションを使った研究を楽しんでいます。自分の考えたシミュレーションが成功したときが一番わくわくしますね。材料力学に興味があるなら、ぜひ入ってきてほしいなと思います。
- 柳原 壮一朗(大学院修士課程1年生)
僕はタイヤの摩擦の研究をしています。この研究室は、それぞれが違う研究をしていることが特色だと思います。材料の力学的性質を研究するという根っこの部分は同じですが、何を選ぶかに個性が出ます。研究をしていて嬉しいのは、先輩から引き継いできた研究をさらに進めることができた瞬間ですね。大阪大学の工学部全体でソフトボールの大会があるので、ソフトボールの上手い子に来てほしい……というのは冗談ですが、研究生活は、論文やコンピュータのプログラムとにらめっこしながら一進一退の毎日なので、忍耐強い人は活躍できると思います。