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交流会
第71回大阪大学機械工学系技術交流会開催のお知らせ(2014年8月1日)
第71回大阪大学機械工学系技術交流会
― 「熱工学の発展」 ―
日 時: 2014年8月1日(金) 13:30~17:00
会 場:大阪大学大学院工学研究科 機械系M4棟2階M4-201講義室
--------------------------------------------------《スケジュール》------------------------------------------------------------
13:00~ 受付・開場
13:30~14:30 講演1: 大規模電力貯蔵としてのフロー電池の進展
大阪大学大学院工学研究科 機械工学専攻 教授
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ 個人研究者
津島 将司 氏
14:30~15:30 講演2: ガスタービン冷却技術における数値解析
関西大学 システム理工学部 機械工学科 准教授
小田 豊 氏
15:30~16:00 コーヒーブレーク
16:00~17:00 講演3: プラズマを用いた点火および燃焼支援
大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 講師
林 潤 氏
-------------------------------------------------------------《講演概要》-----------------------------------------------------
講演1の概要: 近年,電力の効率的運用と自然エネルギー導入促進の観点から,大規模電力貯蔵システムとして,レドックスフロー電池に注目が集まっています.レドックスフロー電池の実用化に向けては,電気化学,材料科学に加えて,電池内での反応流動の設計と制御が極めて重要です.本講演では,レドックスフロー電池の研究開発状況を俯瞰した後,基盤技術として熱工学の果たす役割について,講演者のグループの取り組みを紹介します.フロー電池内流動制御による高性能化,ナノ・マイクロ構造を有する炭素電極の創製,多孔質電極内反応流動制御のための数値解析,について紹介し,熱工学を基盤とした研究開発が進むべき方向と技術的課題について議論します.
講演2の概要: 高温ガスタービンの翼冷却にはフィルム冷却や衝突噴流冷却などの冷却技術が適用され,タービン翼内外には複雑な乱流伝熱場が形成される.これらの冷却技術の高度化には,本質的に非定常な乱流伝熱場を予測できるLES (Large Eddy Simulation) が有効であるが,生み出される膨大な瞬時場のデータを,冷却性能や空力性能の向上に十分に活用できていないのが現状である.本講演では,講演者が取り組んできたLESによるタービン翼冷却の解析例を紹介するとともに,LESに基づく乱流統計量を活用した新しい数値解析技術をいくつか紹介する.
講演3の概要: 世界のエネルギー需要の8割以上は,化石燃料の燃焼によって賄われており,燃料消費を抑えつつ熱エネルギーを有効に利用することが出来る燃焼を目標に,多くの取り組みがなされている.プラズマ支援燃焼は,電離した化学種および高エネルギー状態の電子を利用して燃焼反応を開始あるいは支援・促進する燃焼技術であり,古くは,スパークプラグを用いた点火などが研究され,実用燃焼システムで利用されてきた.近年では,気相温度の上昇による窒素酸化物(NOX)の生成量の増大を避けた非平衡プラズマを利用した燃焼現象に注目が集まっている.本講演では,プラズマを用いた点火,燃焼支援に関する基礎的な研究について紹介する.