研究室

熱流動態学系|非線形非平衡流体力学領域

矢野・山口研究室

研究室HP

矢野 猛(教授)、山口 康隆(准教授)、稲葉 匡司(助教)

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  • 矢野・山口研究室とは?

    「流体力学」の限界を超える。

    「流体力学」って聞いたことがありますか?重力に逆らって飛ぶロケットや飛行機、新幹線の騒音、レーシングカーの空気抵抗、ジェットエンジン、人工心臓の血流、DNAシーケンサーによるゲノム解析、大きいものだと津波や台風から銀河形成まで、すべての「流れ」の「なぜ」「どうして」を考えて、「こうすればもっとよくなる」と答えるための学問が「流体力学」です。私たちの研究室では、誰も実現していない新しい翼のスーパーコンピュータによる研究や、表面張力の奥に隠されている秘密を暴く分子シミュレーションなど、「流体力学」の未知の世界の探求に取り組んでいます。いいかえると、「流体力学」の限界に挑み、それを超えることを目指しているとも言えます。その先に、未来の新しい科学と技術が待っているのです。

     

  • 研究室のユニークPoint !

    教科書に書かれている昔のだれかの発見を超える。

    「流れ」は、あるときは渦を巻き、あるときは波立ち、またあるときは物体を押し流し、「なぜ」「どうして」に満ち溢れたふるまいをします。これらの問いに答える「流体力学」は、工学部の学生の皆さんが学ぶ科目の中で、もっとも難しい部類に属しています。難しい「流体力学」の研究をしている皆さん自身の姿を想像してみてください。ちょっとカッコよくないですか?「流体力学」の研究をとおして、皆さん自身の手で、「流れ」の「なぜ」「どうして」を解き明かしてみませんか?とくに、分子シミュレーションをはじめとする私たちの研究は、「流体力学」の限界を超えることを目指す研究です。皆さん自身の手による研究の成果が、教科書に書かれている昔のだれかの発見を超えるものだとすると、最高に面白いだろうと思いませんか?

  • 研究室の先輩メッセージ

    研究の基礎力、思考力が育まれる。

    • 楠戸 宏城(大学院博士課程2年生)

    マクロな流体力学現象を、その構成要素である分子をシミュレーションすることでミクロから解き明かすことが出来るのが、この研究室の魅力だと思います。私の取り組む分子動力学法では、分子間相互作用力(例えばファンデルワールス力)を計算し、ニュートンの運動方程式に従って分子の動きをシミュレーションすることで、実験では観測不可能な流体内部の分子の振る舞いを観察することができます。そのような分子ひとつひとつの振る舞いが協調することで表面張力といったマクロな物性値や流体の動きを決定しているのですが、このことはなんだかロマンチックですよね。ここでは、単にシミュレーションにより現象を再現しカラフルに可視化するだけにとどまらず、その根底にある物理の解明にも精力的に取り組むため、高水準な思考力や基礎力が獲得できると思います。研究に取り組んでいると、「世界の最先端を走っている」という実感を覚える瞬間があり、その際の悦びは非常に大きいです。

    • 大賀 春輝(大学院博士課程1年生)

    私は固体と液体の間の摩擦について研究しています。摩擦というと、ふつうは固体と固体が滑るときに働く力を想像すると思いますが、固体と液体の間にも摩擦が存在し、そのメカニズムを分子シミュレーションによって明らかにするのが私の研究です。少し難しいですが、これを「揺らぎ」というものから理論的に導くことを目指しています。ブラウン運動という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、「揺らぎ」というのは、液体が自由に動き回る分子で構成されることによって起きる現象で、一見ランダムに見える運動の中に隠れた性質を取り出して、液体のねばっこさや摩擦を求めようというものです。これは、あのアインシュタインも精力的に取り組んだ分野の一つですが、シミュレーションの結果および理論の両方の側面から考察し、先生方と議論を重ね、直観では考えられないようなことが解明できたときには、大きな達成感があります。

    • 上井 勇人(大学院修士課程1年生)

    私は、超高速で振動する壁付近での、気体の運動について研究しています。たとえば宇宙空間などの空気がきわめて薄い場所において、音がどのように伝わるかといった問題につながりますが、これらは既存の流体力学の枠組みでは全く手の出ない未知の領域ですので、ボルツマン方程式というミクロな分子集団の運動を考慮した手法を用いた解析をしています。いままで誰も知らなかった現象に迫り、そのメカニズムを自分の手で理論的に明らかにしたいと思って日々研究を進めていますが、この点がまさに研究室の魅力であり、面白さだと感じています。

    • 松原 佑樹(大学院修士課程1年生)

    空気が薄くなっていくと、音の伝わり方は変化していきます。私は数式を通してこの現象を理論的に解析する研究を行っています。自分で導いた数式をプログラミングによって解きグラフで表し、結果を見ながら、導いた式が正しいかを検証するという流れで研究を進めていきます。結果を先生方に説明し、指導を受けるのは、どの研究室でも同様だと思いますが、先生方がひとつひとつの式や結果について、根気強く丁寧に議論してくださるのがこの研究室の特徴です。これにより、自分たちが何を理解できていて、何が足りていないかが明らかになり、理論の奥深さを感じるとともに、研究への意欲も高まります。

     

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矢野 猛(教授)、山口 康隆(准教授)、稲葉 匡司(助教)

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