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交流会
第59回大阪大学機械工学系技術交流会開催のお知らせ(2012年2月13日)
第59回大阪大学機械工学系技術交流会
―バイオケモメカトロニクス融合による柔らかい機械の設計論・操作・制御の最先端―
日 時:2012年2月13日(月) 13:30~17:00
会 場:大阪大学大学院工学研究科 機械系M4棟2階M4-201講義室
--------------------------------------------------《スケジュール》------------------------------------------------------------
13:00~ 受付、開場
13:30~13:40 はじめに:生命機械融合ソフト&ウェットロボティクスに向けて
大阪大学大学院工学研究科機械工学専攻 教授 森島 圭祐 氏
13:40~14:40 講演1:ゆらぎと生命機能: 1ワットで働く脳、3万キロワット使うスパコン
理化学研究所生命システム研究センター・脳情報通信融合研究センター センター長
大阪大学大学院生命機能研究科 特任教授 柳田 敏雄 氏
14:40~15:40 講演2:1分子を識別する技術・操作する技術
大阪大学 産業科学研究所バイオナノテクノロジー分野 教授 谷口 正輝 氏
15:40~16:00 コーヒーブレーク
16:00~17:00 講演3:化学反応を駆動源とするソフトアクチュエータの創製
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ソフトメカニクスグループ 研究員 原 雄介 氏
-------------------------------------------------------------《講演概要》-----------------------------------------------------
講演1の概要: 機械や情報システムはますます複雑で大規模になっている。それに伴い膨大なエネルギーを消費するだけでなく、厳密に制御することが困難になってきている。それに対して、脳など生物システムは人工システムよりはるかに複雑に見えるにも関わらず、極端に少ないエネルギーでロバストに制御されている。我々はこの生物システムの巧妙な仕組みを解く鍵は“ゆらぎ”であることを見出してきた。生物の仕組みに学ぶ環境と人間に調和したイノベーションの可能性を探る。
講演2の概要: 1分子の性質を調べる1分子科学の発展により、1分子を識別する技術と操作する技術が開発されている。1分子技術は、エレクトロニクスに組み込み可能なデバイスの形で、精密な機械であるバイオ分子の持つ機能を実現する革新的な技術であり、個別化医療や創薬への応用が期待されている。講演では、細胞膜で1分子を識別・操作しているバイオ分子の機能を持つナノデバイスについて紹介する。
講演3の概要: 高分子アクチュエータは、軽量・柔軟・成形加工性の高さを特徴とし、有機材料で構成されているため金属疲労が発生せず、無音で駆動することを特徴としている。高分子素材の柔軟性から、電磁モーターやギヤから構成されるアクチュエータと比較して、非常に柔らかい動きを簡単に作り出すことができる。また電磁モーターのように発熱しないことも、高分子アクチュエータの特徴として挙げることができる。本講演会では、化学反応を駆動源として心筋細胞のように自励振動するゲルを、アクチュエータやロボット応用した例について詳細に報告する。さらに申請者が近年開発したデンドリマーゲルアクチュエータ、ナノファイバーアクチュエータ、導電性高分子アクチュエータ、およびエラストマーアクチュエータについても紹介する。