統合設計学系|精密加工学領域
榎本・杉原研究室
研究室HP榎本 俊之(教授)、杉原 達哉(准教授)、佐竹 うらら(助教)
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榎本・杉原研究室とは?
モノづくりのプロセスに欠かせない「加工」を科学する
さまざまな物質でできた材料は加工されて初めて機能する製品になります。本研究室は、モノづくりのプロセスに欠かせない「加工」をさまざまな側面から研究します。扱うテーマは自動車や宇宙・航空機、半導体、光学、医療など多岐にわたります。加工技術も限定せず、材料に合った方法で開発を進めていきます。特殊な機能をもつ加工工具を新たに作製することもします。既存の技術を革新し、ミクロからマクロまで、社会にあるモノづくりのあらゆるものが対象になるところが本研究室の特徴です。
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研究室のユニークPoint !
5年後10年後の未来を変えていく 実社会の課題を見据えた研究
最近普及し始めている手術ロボットが活躍するためには、骨や血管、皮膚などを切除したり切断したりする加工技術が必要です。また、これまでにない新しい材料が開発されると、それを加工する新たな方法が必要になります。実社会における問題に対して独自のアプローチをとり、企業よりも早く問題の答えを見つけることを目指しています。「医療」、「自動車」、「宇宙・航空機」、「半導体」、「光学」の分野におけるものづくりの基礎から応用までを研究していくことで、これまでにない新しい社会の在り方を提案できる研究分野です。
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研究室の先輩メッセージ
加工の研究が社会のさまざまなシーンを変えていく
- 三部竜太郎(学部4年生)
私は医療機器の研究をしています。たとえば、バイパス手術などでは血管をハサミで切断しますが、血管がなるべく変形しないように切断できれば、手術後の血管の障害が起きにくくなります。そのためのハサミの機構や構成を考えています。先行研究がないため、自分がパイオニアになれるかもしれないということが、大きなモチベーションになっています。自分のスキルを向上させたいと考えている人には、向いている研究室だと思います。私自身もそういう思いから、この研究室を選びました。学生の数は多く、年齢が近い人が集まっています。研究室対抗のスポーツ大会にも積極的に参加しているので、研究室の雰囲気は非常に明るく仲が良いです。海外からの留学生もいて、日本語と英語でコミュニケーションをして異文化交流もできるところも楽しいです。
- 伊藤翔也(大学院修士課程1年生)
僕は半導体の基板材料であるシリコンウェーハを研磨加工して平らにする技術の研究をしています。平らにすることができれば、半導体の性能が向上します。直径が300ミリメートルレベルの円盤を20ナノメートルというスケールで精密に制御していく、非常に難しい技術です。でも、その難しさにやりがいを感じています。この研究室では、それぞれみんな異なる研究をしているので、他の人の研究からいろいろな知識を得ることができます。実験装置を自分で考えたり、自分が作った実験装置がうまくいって結果が出たりすると、とても楽しいです。
- 木下誠司(大学院修士課程1年生)
僕は自動車を作るときに使うプレス加工や切削加工を対象にした研究をしています。これらの加工では、金属を金属に押し当てて柔らかい方の金属を変形させて目的の形を作るのですが、押し当てるときに金属と金属の間でどのような現象が起きているのかということや、変形のためにどのような条件や技術が必要になるのかということを調べています。さまざまな加工方法を扱うことで、加工という現象そのものの理解が深まることが楽しいです。大きな機械に触れることも多いので、モノづくりが好きな人は合うと思います。