統合設計学系|レーザプロセス学分野(接合科学研究所)
塚本・佐藤研究室
研究室HP塚本 雅裕(教授)、佐藤 雄二(准教授)、竹中 啓輔(助教)
-
塚本・佐藤研究室とは?
世界でまだ誰も手にしていない、最先端の銅の加工技術を生み出す。
カーボンニュートラル社会の実現を目指すうえで、電気自動車の開発が世界的に注目されています。電気自動車の主要部品にはバッテリー、モーター、それらを制御するためのパワーデバイスがあり、これらすべてに「銅」が使われています。そのため銅をつなげたり、切ったり、コーティングしたりする加工が必要です。銅は粘りが強いため「難加工材」と呼ばれており、加工が難しい材料。加工するにはレーザーを用いますが、従来のレーザーだと吸収率が低くて反射してしまい、加工できません。そこでこの研究室では、企業と協働して国のプロジェクトに参画し、銅の加工に最適な世界最高出力の「青色半導体レーザー」の開発に世界に先駆けて挑んでいます。開発から社会実装には3~5年後を見据えており、未来の技術をわたしたちの手から生み出す次代の研究を展開しています。
-
研究室のユニークPoint !
目指すのは、「耐環境」ではなく「対環境技術」の開発。
これからは再生可能エネルギーの創出にむけて厳しい自然環境の中でも稼働できる、腐食に強い発電装置の開発が必要になってきます。そこで活躍するのが、この研究室で開発している「レーザコーティング」です。レーザコーティングは、環境に強い材料を自由にコーティングできる技術です。従来であれば、腐食により発電装置の修繕コストがかさんでいたものが、レーザコーティングによってメンテナンスフリーで持続可能な発電が可能になる。さらに、銅には、電気や熱を通しやすい性質と、柔らかい性質、加えて高い抗菌性があります。銅を用いて取手等の部材に薄いコーティングを施すことにより、ウイルスに強い社会をつくることができます。厳しい自然環境や社会問題に向き合いながら、次代を切り拓く「対環境技術の開発」が、この研究室の大きなテーマです。
-
研究室の先輩メッセージ
研究成果を広く発表し、国内外で4つの賞を受賞。
- 藤尾 駿平(大学院博士前期課程2年生)
最先端な研究に取り組めるうえに、積極的に国際会議に参加できるところに魅力を感じ、この研究室を選びました。僕自身、将来は海外で働きたいと考えているため、学部4年生のときから国際会議で発表させてもらえるのは、非常に有意義な経験です。今は、従来のレーザーと青色半導体レーザーを組み合わせたハイブリットのレーザーを用いて、銅の加工を行う研究に取り組んでいます。その研究によって、従来は難しかった銅のレーザー溶接を実現しました。この成果を論文発表したところ4つの賞を受賞することができました。そのうちの2つが、国際会議で受賞したものです。この研究室は、いい意味で放任主義。研究アイデアが浮かんだら、自分で実験のセットアップを作り、実験してみて、自分も想像していなかった新しい発見をすることがあります。その成果を積極的に国内外へアウトプットすることで、人類の発展に貢献できると感じ、大きなやりがいがあります。