阪大の機械工学

メッセージ

ようこそ、阪大機械へ

機械工学専攻長 津島 将司

このホームページをご覧いただき、ありがとうございます。この機会に、私たち阪大機械について知っていただきたいと思います。大阪大学の系譜をたどると「適塾」、「懐徳堂」、「大阪外国語学校」となります。旧帝国大学のなかでも稀有な、市民による市民のための学校に源流を持ち、このことは大阪大学の特色であり、誇りでもあります。1933年の大阪帝国大学工学部の発足当時に6つあった機械工学科の研究領域は、現在、工学部応用理工学科 機械工学科目/大学院工学研究科 機械工学専攻として20を超え、60名ほどの教員が機械工学の革新に向けた様々な最先端の研究を展開しています。関連する産業分野は、ロボット、自動車、航空・宇宙などの従来の機械工学の範疇に加えて、材料、化学、環境、エネルギー、災害、人間支援、医療、バイオ、半導体、情報、人工知能、社会システム、などにまで及び、国内外の大学・研究機関ならびに民間企業などと協働して研究を進め、卒業生、修了生はそれぞれの分野を牽引する立場で活躍し、社会に貢献しています。

アドミッション・ポリシー、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーを学部教育大学院教育について定め、学術の探究を通じて機械工学分野における高度な専門知識を習得し、幅広い教養と国際性を身につけることにより、持続可能な社会の構築、人類の未来の発展への貢献を目的とした教育・研究を行うことを目標としています。学部では2年次に学科目分属があり機械工学科目へは毎年120名程度、大学院では入学時に博士前期(修士)課程学生として毎年100名程度、博士後期(博士)課程学生として毎年20名程度が加わります。この数字が示すように多くの学部生が大学院に進学します。博士前期(修士)課程の大学院入試では、本年度より推薦入試での募集人員を40名程度に倍増させることで他大学・高等専門学校等からの推薦も募り、多様なバックグランドを持つ学生同士が相互に刺激し合える教育環境の構築に努めています。

機械工学が関わる研究開発の領域は拡がっており、学部教育では普遍的な基礎を確実に培うとともに実験・実習・プロジェクト型科目により自身の成長を実感しながらチームワーク力なども含めて総合力を養います。その上で、教員の指導のもとに卒業研究に取り組みます。大学院教育では高度な科学的素養をそれらを統合するデザイン力とともに実質化し、研究活動においては教員の指導と充実した設備に加えて、国内外の研究者や技術者らと議論する機会が自ずと生まれる環境のもとで、同じ研究室の友人とも切磋琢磨しながら修士論文研究、さらには博士論文研究にじっくりと向き合います。学生は修士論文研究のうちに海外で開催される学会等で研究成果を発表することもあります。研究室では本学に所属する留学生に加えて、海外大学からの教員、研究員や研究生なども受け入れており、グローバルな人材が育つ環境にあります。

いつの時代においても様々な課題が存在します。現在は、環境・エネルギーといったグローバルなものから、安全や安心、生きがいや楽しみ、といったパーソナルなものまで、多様かつ複雑であり、とても手に負えないようにも思えてきます。そのような中にあって“機械”はこれまでと同様に、そして、これまで以上に私たちの可能性を拡げ、よりよい社会を構築する基盤となります。私たちの身の回りにある人工物はほとんど全てが何らかの機械であり、もしくは機械を介在してつくられます。人が持つアイデアや夢を形や仕組みにして実現し、社会にもたらすために機械工学は不可欠であり、進歩し続けます。従来の機械工学では成しえなかったスケールでのものづくりや制御、個々の機械システムの統合や人間社会システムにおける融合と新たな価値の創造、まだ見ぬ世界を実現するための幾つもの挑戦と新たな学術分野の開拓が待ち受けています。

私たち阪大機械は、機械工学が有する普遍性と発展性を追求し、研究、教育、人材育成、社会貢献のいずれにおいても、私たちの先達の思いを受け継ぎ、社会からの負託に応えていきます。市民による市民のための学校としての源流を胸に刻み、社会に開かれた存在であり続けます。日本万国博覧会記念公園に隣接して緑が溢れ、大阪の中心部へのアクセスにも優れたキャンパスです。次は、吹田キャンパスにお越しください。ようこそ、阪大機械へ。

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