阪大の機械工学

機械工学とは

複雑な対象を体系としてとらえ、解析と総合を両輪として、
社会や生活を進展させるものごとの全体を創り出す。

17世紀末から18世紀半ば、運動と力の関係を数学的に解き明かすことは欧州における科学の最大の関心でした。また、同時期に進んだ社会変革の背後では、啓蒙思想による合理主義への転換が進んだ時代でもあります。これにより、複雑な対象を体系としてとらえ、物理法則などの一般原理の連鎖からなる方程式とその解析を道具として、ものごとのふるまいを総合し、未来を創り出す機械工学の様式が誕生しました。

18世紀後半から19世紀になると、解析と総合を両輪とする機械工学の様式の下で進みはじめた動力の活用や作業の機械化は、英国で産業革命として花開き各地に広がります。

20世紀、新たな原理に基づく様々な機械の創造や大量生産方式は先進諸国に市民社会をもたらします。システム化技術や計算科学による機械の大規模化や高効率化、制御技術やメカトロニクスによる機械の知能化は豊かな成熟社会をつくりだしたのです。

しかし一方でこれらの恩恵の副作用として、資源制約との衝突、人口構造の変容、経済格差の拡大など、多くの問題も引き起こされてしまいました。今、私たちはイノベーションの実現、自然環境や社会経済との調和、さらなるフロンティアの開拓など、相矛盾する課題群の調和のとれた解決を求められています。社会や生活を進展させるものごとの全体を創り出すという機械工学の普遍的な役割は、新たな地平へと拡大しています。

大阪大学の工学部応用理工学科機械工学科目・大学院工学研究科機械工学専攻は、この困難な役割を引き受け、新たな学術をひらき、様々な課題と立ち向かい未来を築いていこうとする者たちが、知のプロフェッショナルへと成長していく場です。

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