知能制御学系|感情アンドロイドダイナミクスグループ
石原研究室
研究室HP石原 尚(准教授)

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石原研究室とは?
人の心の動きを考慮して豊かに心を表現するアンドロイドを実現する。
人に似た姿で人の言葉を操るロボットが人の社会に多く出てこようとしています。我々自身に似た知的な存在は、良くも悪くも我々の心理に大きな影響を与えるため、この種の人工物の振る舞いは慎重に決定されなければいけません。身体の様々な動きが人にどのような印象を与えるのかを把握し、場面に即して望ましい印象となるように身体を操る仕組みを実現してロボットに搭載することが望まれます。当研究室では、機械工学を基盤としつつも心理学・情報学・医学・歯学などの分野とも連携し、表現力豊かなアンドロイドロボットの身体機構設計、仮想的心理状態を反映した動きを自動生成する動的表情合成、人の表現運動の時空間特徴の精密解析、気分や性格などの心理特性を切り替え可能なアンドロイド対人相互作用実験システムなど、アンドロイドの心理表現と印象制御に関する研究開発を実施しています。
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研究室のユニークPoint !
研究成果を子ども型アンドロイドに集約
研究室の取り組みで得られる研究成果は、一つの身体システムに統合しようとする際に生じる問題や課題の発見のため、Affetto(アフェット)という名の子ども型アンドロイドロボットに集約しています。このロボットは研究室のフラグシップであり、人前での振る舞いを自在に調整できる人型実験装置として、他者に対する人の様々な反応がいかなる振る舞いによって引き出されるのかを調べる対人実験に使用します。そのように人に「響く」振る舞いをAffettoに追加実装していくことで、人の反応をフィードバックとする振る舞いの随時調整や機械学習を可能にし、振る舞いの自己洗練機能を持たせる研究に踏み込めるようにすることを目指しています。
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研究室の先輩メッセージ
2025年度に立ち上がった新しい研究室です。
- 石原 尚(准教授/研究室主宰)
私たち人は、自身と他者の内に心があると確信し、それを拠り所として相互の複雑な振る舞いの原因にある程度の納得を得て、相手の次の動きを予測したり、自身の動きを調整したりすることで、なるべく良い関係を築くことができています。未だ正体の知れない人の心をロボットに持たせることは出来ずとも、心に相当する説明パラメータをうまく表現する機能を与えることができれば、その影響を受けた人の心の動きもある程度読みやすいものとなり、互いに戸惑いなく関わり合えるようになる可能性があります。人とロボットの関係を良好に発展させるため、是非一緒にロボットの「心の表現機能」を高める研究を進めていきましょう。