統合設計学系|ナノ加工計測学領域
高谷・水谷研究室
研究室HP高谷 裕浩(教授)、水谷 康弘(准教授)、上野原 努(助教)
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高谷・水谷研究室とは?
「光」が可能にするナノスケールのものづくり
光(レーザー)を使って、金属や樹脂といった材料の加工・計測を行っています。例えば、機械の部品。従来のものづくりのスケールがマクロであるのに対して、近年はより高性能・高精度なものづくりが発展し、ミクロなサイズでものづくりが行われるようになりました。それは、髪の毛1本の1000分の1に相当する「ナノメートル」という非常に小さな世界。肉眼では確認できない領域で加工・製造が行われており、それが目標どおりの大きさや形状に加工されているかを計測する技術や、加工する装置そのものも発展段階であるのが現状です。そこで当研究室では「光」のエネルギーや波長を用いて、材料をナノスケールで加工したり、材料の状態を計測したりと、従来はできなかったより高度なものづくりを可能にする技術開発を目指しています。日常生活では意識することのない小さな世界ではありますが、未来のものづくりを大きく変える基盤となる研究です。
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研究室のユニークPoint !
未知の物理現象を解明し、技術開発に応用する
ナノスケールのものづくりというと、現在は二次元で加工が施されるのが一般的です。では、どうすれば三次元で超微細な加工が実現できるのか。そこで着目しているのが「光」の物理現象です。ナノメートルの世界において光がどのように作用しているのか、どういった現象が起きているのか、光のメカニズムをナノスケールで捉え、これまで未知だった現象を解明し、実用化に結びつける。それがものづくりの限界を突破するアプローチの一つです。学生自ら装置を製作し、メカニズムの実証やデータの蓄積などの成果を積み重ね、新しい加工・計測技術をつくり出す。物理現象の解明から応用まで、「光」に着目して実践しているのは、当研究室の大きな特徴です。また、国内外で研究成果を発表する機会を積極的に設けており、学生の受賞歴が多数あります。
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研究室の先輩メッセージ
研究室に入ってから知った「光」の面白さ
- 川上 恭平(大学院1年生)
ナノスケールの非常に小さな領域で、三次元の金属加工を実現する技術開発を目指しています。この研究室には電子顕微鏡をはじめする高性能な設備が充実していて、こうした装置を自由に使いながら、自分の研究に没頭できるのが楽しいです。「光」はまだまだ未知の分野で、発展の余地があります。ものづくりの概念を変える「光」の面白さに触れられたのは、この研究室に入ってよかったと思うポイントの一つです。
- 吉岡 未希(大学院1年生)
私の研究は「計測」を扱っています。現在は光の原理を目に見えるミリ単位で実験しているところで、ゆくゆくは新しい計測技術への応用を目指しています。実は、研究室に入るまで「光」について専門的に学んだことがなく、私にとっては新しい学問。研究するほど可能性にあふれた分野であることが分かり、学びそのものが楽しいです。研究に対して、学生みんながストイックなので、お互いを高め合える環境だと思います。
- 安田 諒(大学院1年生)
実験をしていると、分からないことがたくさん出てくるんです。「なんでこうなるんだろう?」って考えたり、調べたり、他の手法で実験したりして、分からなかったことが少しずつ解明されていく。答えは誰も持っていないし、与えられたことをこなすような研究ではないので、研究に自由度があり、自分で探求する面白さがあります。そのうえで、分からないことや行き詰まった時には、先生方や留学生、まわりの学生がサポートしてくれます。