機能構造学系|固体力学領域
松本研究室
研究室HP松本 龍介(教授)、劉 麗君(助教)
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松本研究室とは?
構造と材料の力学的性質の起源を紐解き、新しい「設計図」を創る。
信頼性と性能を両立する機械・構造システムを創るためには、様々なスケールで構造と材料の性質を理解し、利用することがキーになります。私たちの研究室では、スーパーコンピュータを活用した大規模な第一原理計算・原子シミュレーションを基軸とし、固体力学と計算材料科学を融合することで、材料中の欠陥・界面・転位などが支配する力学特性の起源を紐解いています。そこから得られる知見をもとに、構造と材料の統合設計を通じて、損傷や破壊を抑えるための新しい「設計図」を創ることを目指しています。
具体的には、水素脆化に代表される金属の脆化現象のメカニズム解明と抑制方法の提案につなげる研究を進めています。また、マグネシウム合金の変形・破壊メカニズムを力学的に解明するとともに、高延性化や強靱化を行うことで、軽量高強度材料としての利用拡大を目指した研究を行っています。さらに、こうした計算材料科学の枠組みを機能材料へも展開し、次世代機能材料であるMXeneの電子状態やガス吸着現象を解明することで、センサや機能素子への応用も視野に入れています。

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研究室のユニークPoint !
スーパーコンピュータで「見えない力学現象」を解き明かし、材料と構造の設計へつなげる。
私たちの研究室では、スーパーコンピュータを活用した第一原理計算や原子シミュレーションによって、実験では直接観察が難しい「原子の世界」の現象を再現し、材料の強さ・変形・破壊・脆化といった「見えない力学現象」の起源を解き明かしている点にあります。単なる材料探索にとどまらず、欠陥・界面・転位などの微視的な振る舞いを固体力学と結び付けて理解することで、材料と構造の統合設計、さらには損傷や破壊を抑えるための新しい「設計図」へと展開します。原子レベルの本質的理解を土台として、信頼性と性能を両立する機械・構造システムの実現に貢献することを目指しています。

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研究室の先輩メッセージ
一緒に研究室をつくる皆さんへ
- 松本 龍介(教授)
はじめまして、松本です。私は約23年前に大阪大学を離れ、その後いくつかの大学で経験を積んだのち、ご縁があってこのたび再び大阪大学に戻ってきました。久しぶりに戻ってみると、変わっていないこともあれば、大きく変わったこともあり、日々新しい発見があります。さて、先輩からの情報がまだ十分にない中で、この研究室を選ぶことに不安を感じる人もいるかもしれません。私自身、これまで何度か研究室の立ち上げを経験してきましたが、初年度の学生は研究室の雰囲気や方向性を形づくる、とても大切な存在です。その意味でも、皆さんと一緒に新しい研究室をつくっていけることを楽しみにしています。
研究指導においては、学生の自主性を大切にしながらも、必要なところでは丁寧に支える、そのバランスを意識しています。研究を続けていると、一見まったく異なる現象のあいだに意外な共通点を見いだしたり、よく知られた理論や方法に新しい使い方を思いついたりすることがあります。そうした発見は、現象を俯瞰的に見る力と注意深い観察の中から生まれます。研究室での活動を通じて、ぜひその面白さを実感してほしいと思っています。また、人生において本当に力になるのは、研究そのものだけではありません。趣味や遊び、失敗、そして人とのつながりといったさまざまな経験が、思いがけない形で将来に生きてくることが多くあります。研究室での日々が、一人の人間として強くしなやかに生きていくための糧にもなれば嬉しいです。
- 劉 麗君(助教)
研究室選びで「自分がどこで成長できるか」を考えている皆さん、こんにちは。松本研究室の劉です。私たちの研究室では、「学生の主体性を育む教育」を大切にしています。研究テーマは「原子レベルの理解から、材料と構造を統合した信頼性機械を創る」ことです。固体力学を基盤に、第一原理計算、原子シミュレーション、機械学習を活用した計算設計により、材料の力学特性や機能の起源を解明し、新しい材料・構造設計へとつなげる研究を進めています。知識を学ぶだけでなく、自ら課題を見つけ、考え、解決する力を身につけることを目指しています。
研究に初めて取り組む学生でも安心して進められるよう、計算手法の基礎から丁寧に指導します。研究テーマは、各自の興味に応じてマグネシウム合金の変形・破壊解析や、MXene などの二次元機能材料の設計研究などから選ぶことができます。また、定期的な個別面談を通じて研究の進捗を共有し、困難に直面した際には一緒に解決策を考えながら研究を進めていきます。
研究面では「材料と構造の統合設計」を特徴としていますが、教育面では「チームワークを重視した相互学習」も大切にしています。先輩と後輩が自由に議論できる環境の中で、専門知識だけでなくコミュニケーション能力や問題解決力も自然に身につきます。
もし「原子レベルから力学現象を理解したい」「材料と構造を統合した機械設計に挑戦したい」「自分のアイデアを研究として形にしたい」と思う方がいれば、ぜひ松本研究室を検討してください。皆さんと共に学び、研究を通じて成長していけることを楽しみにしています。
