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第84回大阪大学機械工学系技術交流会開催のお知らせ(2017年2月10日)

第84回大阪大学工業会機械工学系技術交流会

―基礎工学研究科 機能創成専攻 機械工学分野の最新研究動向-

本講演会では、基礎工学研究科における機械工学分野の最前線を牽引し、世界をリードするユニークな研究を推進されている、機能デザイン領域 制御生産情報講座 数理固体力学分野、非線形力学領域 材料構造工学講座 固体力学分野、非線形力学領域 熱流体力学講座 流体力学分野および生体工学領域 生体計測学講座 分子生体計測分野の先生方を講師としてお招きし、機械工学の先端研究について基礎から応用まで幅広く講述いただきます。

日 時: 2017年2月10日(金) 13:30~17:50

会 場: 大阪大学大学院工学研究科 機械系M4棟2階M4-201講義室

           (〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学 吹田キャンパス)

---------------------------------------《スケジュール》----------------------------------------------------------

13:00~     受付・開場

 

13:30~14:30 講演1:「構造材料の機械的特性の理論予測とその設計にむけて」

大阪大学大学院 基礎工学研究科         教 授   尾方 成信 氏

 

14:30~15:30 講演2:「超高感度振動子バイオセンサーの開発」

大阪大学大学院 基礎工学研究科         准教授  荻 博次 氏

 

15:30~15:50  コーヒーブレイク

 

15:50~16:50 講演3:「撹拌翼のない撹拌機」

大阪大学大学院 基礎工学研究科         教 授   後藤 晋 氏

 

16:50~17:50 講演4:「細胞が発生する力の可視化とその創薬展開」

大阪大学大学院 基礎工学研究科         教 授   出口 真次 氏

 

------------------------------------------------------《講演概要》------------------------------------------------------------------

講演1の概要: 構造材料とは構造体において重量を支えたり、構造体の形状を保つことを目的とする材料であり、強度(最大の負荷荷重)、延性(破壊するまでの変形量)、靱性(破壊に必要なエネルギー)などの機械的特性を主たる機能として用いる材料群である。構造材料は産業界で莫大な量が使用されており、ある合金組成、材料創製プロセス、材料の使用条件などの情報から、材料が示す機械的性質が実験以前に理論的に予測可能になれば、これまでにない優れた機械的性質を有する構造材料の理論探索が可能となり、環境や経済に与える効果も大きい。材料の機械的特性の発現メカニズムは、多様な時空間スケール、多様な物理間の非線形な相互作用の結果であることから、機械的特性の理論的予測は容易ではないが、近年の計算材料科学の発達により可能となりつつある。発表では関連研究の最近の進展について紹介する。

講演2の概要: 多くの疾患に特有の蛋白質マーカーやRNAマーカーが次々と特定されている。血液中や尿中に漏洩 したこれらバイオマーカーを検出することにより、疾患の早期発見が可能となる。ま た、疾患の原因となる蛋白質が特定されればそれと親和性の高い抗体や核酸を開発することにより、薬剤開発へ貢献する。本講演では、我々が独自に開発した非接触センシング技術を用いて、診断・創薬に貢献し得る超高感度の振動子バイオセンサーの開発について解説する。

講演3の概要: 滑らかな容器に充填された流体を、容器の回転運動だけで撹拌する方法を紹介します。具体的には容器の回転軸を別の軸のまわりに回転させると、驚くほど簡単に充填流体の撹拌を促進できます。この方法では、撹拌翼を用いる必要がないので、容器の洗浄性や清潔性の観点から優位点があります。我々は室内実験と大規模数値シミュレーションにより、最適な容器形状、最適回転パラメタ、内部流体の混合に要する時間などを明らかにしてきました。講演では、これらの知見をまとめて報告するとともに、具体的な応用例も紹介します。

講演4の概要: ほとんどの細胞は、一見じっとしているようで実は絶えず収縮力を発生・維持している。最近の研究から、この収縮力の大小は、細胞が「生きるか死ぬか」「どの細胞に生まれ変わるか」を左右する重要な因子であることが明らかにされている。本講演では、この細胞収縮力を実験的に可視化し、創薬への応用を目指した研究について紹介する。特に、ドラッグ・リポジショニング概念に則れば、アイディア次第で機械工学の技術が創薬に本質的な寄与を果たすことができることを強調する。

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大阪大学機械工学系技術交流会 事務局

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番1号   大阪大学大学院工学研究科 機械工学専攻内

E-mail:koryukai@mech.eng.osaka-u.ac.jp

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