研究室

機能構造学系|ナノ構造工学領域

平原研究室

研究室HP

平原 佳織(准教授)

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  • 平原研究室とは?

    原子や分子の世界にアプローチ 直接見て制御する

    「ナノ」は10億分の1を表す単位です。1ナノメートルは10億分の1メートル。大きな分子のサイズが約10ナノメートル、原子1つが約0.1ナノメートルですから、「ナノスケール」は分子や原子が主役の世界です。ナノスケールの世界は、まだまだ謎に満ちています。物理法則も、マクロなスケールとは変わってしまいます。電流の流れ方や、物質の融点など、大きなスケールのときとは異なる現象が起こるのです。本研究室では、ナノスケールの世界を可視化して、さまざまな方法で直接働きかける研究を行っています。電子顕微鏡と最先端技術を駆使してナノスケールを可視化し、材料の性質を解き明かしたり、ナノスケールの材料を操作したりしています。また、ナノスケールの構造を制御することで、新しい機能をもつ材料の開発にも挑戦しています。

     

  • 研究室のユニークPoint !

    ナノスケールの材料を操作・観察・作製できる装置がそろっている

    ナノスケールの材料を「直接見る」ことにこだわった本研究室には、そのための装置が揃っています。ナノの世界を覗き見る「電子顕微鏡」や「原子間力顕微鏡」、ナノスケールの構造体1個を自在に操作し、変形、加工、加熱、通電が行える「ナノマニピュレータ」。カーボンナノチューブやカーボンナノコイルを高効率で安定に合成するための「化学気相蒸着炉」などです。このような環境で私たちは、「百聞は一見に如かず」の精神で日々探求を続けています。私たちが特に注目しているのは、軽くて丈夫な「ナノカーボン」と呼ばれる新しい材料です。多彩な構造をもつナノカーボン材料の特性をナノスケールで解明することで、新たな機能材料の開発につながっていきます。

     

  • 研究室の先輩メッセージ

    思い通りにならないのに楽しい ナノスケールの大冒険

    • 李 玥璇(大学院博士課程1年生)

    私は「エアロ・グラファイト」と呼ばれる材料の研究をしています。エアロ・グラファイトは蜘蛛の糸のように軽い素材です。世界最軽量素材といわれていますが、詳細な性質はまだ解明されていません。エアロ・グラファイトを自分で作って力学特性を調べたり、走査電子顕微鏡の中で粒子1個ずつを操作しながら実験しています。実験が多い研究室なので、実験が好きな学生には向いている研究室だと思います。

    • 李 蘇妍(大学院修士課程2年生)

    私もエアロ・グラファイトの研究をしています。エアロ・グラファイトは飛行機の素材として使われていて、柔軟性や特別な性質をもつので、これを用いて別のものと組み合わせた複合材料を作ることに挑戦しています。実験で何度も失敗が続いたときは苦労しますが、それでも続けて成功したときはとても嬉しく、やりがいを感じます。

    • 沖 裕翔(大学院修士課程1年生)

    僕はもともと飛行機が好きだったのですが、飛行機に「カーボンナノチューブ」が使われているというニュースを見て、カーボンナノチューブを研究しているこの研究室を選びました。今は、円筒状のカーボンナノチューブが束になったものに熱を与えることで、どのような熱の動き方をするのかを調べているのですが、顕微鏡の中でカーボンナノチューブの束に棒を当てるのが難しくて苦労しています。でも、苦労をした分、実験が成功すると、それだけで楽しいです。

    • 林 和輝(大学院修士課程1年生)

    僕が今やっているのは、「ヤモリテープ」の接着力を高める研究です。ヤモリテープというのは、壁にへばりつくヤモリの足の裏の構造を模して作ったカーボンナノチューブのテープです。はやぶさ2では宇宙空間の粒子を接着させて持ち帰るために使われました。この接着力をさらに高めるために、チューブとチューブの間隔や太さなどの条件を変化させて実験しています。実験は、なかなか思い通りにいかない事も多いのですが、うまくいかない原因の中に新しい発見があったりします。うまくいかないことを楽しめる人はこの研究室に向いていると思います。

     

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